レコーディング・宅録での音質はみなさん気にされることでしょう。
特に気になるのが環境ノイズと部屋の反響。マイクの性能が良ければ良いほどこういった部分はもろに影響しますが、宅録環境とだと正攻法でこれらを取り去るのはかなり大変です。
部屋全体に吸音材を貼り付けるのもちいさなブースを作るのもかなりのお金と手間がかかるので現実的ではありません。
それでもやはりプロのようなサウンドを実現したいものですし、諦めたくはないですよね。
そんなときに使えるかもしれないのがアンビエントルームフィルター。リフレクションフィルターとかウインドスクリーンシェルターなどとも呼ばれるようです。
そんなにお金をかけることなく宅録環境をスタジオのレコーディングブースに近づけることができるかもしれません。
では見ていきましょう。
安くておすすめモデルもあるので紹介しておきます。
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アンビエントルームフィルターとは
アンビエントルームフィルターとはこのようなアイテムです↓↓
この吸音材で覆われた壁をマイクの周りに取り付けて余計なノイズや部屋の反響を遮断してしまおうという画期的な道具です。
かなり面白いアイデアですよね。
コンデンサーマイクのような細かい音もしっかりと拾うマイクはパソコンのファンの音や道路から聞こえてくる音などや、自分の声が部屋の壁にあたって跳ね返ってくる音も忠実に拾います。
特に部屋の中で跳ね返ってくる音は良くないリバーブがかかったような状態でそのまま記録されるのと同義なので、必ず取り除かなければならないものですが悲しいことにこれが一番取り除くことが難しいです。
スタジオでは環境が整っているのでこういったことは起こりませんが、宅録ではよくぶつかる壁のひとつと言えるでしょう。
で、このアンビエントルームフィルターを使うことでそんな宅録の悩みを軽減できるんですね。
これがあれば部屋の壁に吸音材を大量に貼り付ける必要もレコーディングブースを作る必要もないかもしれません。
またそれなりに安いので長期的にみればコスパにも優れているといえるでしょう。
まあ説明としては正直それだけなんですがね。吸音材で囲うだけなんでね。
またスタジオに持っていけばスタジオ環境でさらに完全にマイクが分離された環境を作れます。
実際に使ってみた
私自身アンビエントルームフィルターを使用しています。
ボーカルレコーディングやアコギの録音などに使いますね。
ちょっと外からのノイズがあるのと部屋の反響を抑えられるかな〜と購入してみました。
効果としては確かに良いです。
周りの部屋の環境からは分断された状態なのでコンデンサーマイクで録音するとより素の音だけが取れるようになります。
ボーカルに関しては最もおすすめかと思いますね。ボーカルは環境によっては宅録だとかなり反響するのでアンビエントルームフィルターは最適でしょう。
アコギは音量も小さいのでアコギの音自体はそんなに影響はなかった気がしますが、周りのノイズなども抑えられていたようないないような。
まあそれまでも色々気を使って部屋中に服とかカーテンをつけて反響を減らしたり、そとからのノイズも少ないところでレコーディングしたりしていたのでノイズに関して大きく気になるところは今までにありませんでしたが。
あとアンビエントルームフィルターを使うことでインプットゲインを大きくして少しマイクから離れても大丈夫になったのは良かったのかも。
まあこんな感じで大体期待通りの効果がありました。
これって結構すごいですよね。
レコーディングブースの環境をここまで手軽なアイテムで再現できるというのは画期的かと。
あとボーカル録音の際は自分の体で後ろは遮れますし、上に布でも乗せてやればさらにマイクが分離され、床にはカーペットか毛布でも敷いてやればもう完璧です。
もしコンデンサーマイクの性能を最大限に引き出したいのであれば使用を検討してみてはいかがでしょうか。
高価なオーディオインターフェースに高価なマイクを使ってとことん音質にこだわるのなら必須アイテムともいえますね。
それらを持っていても宅録では性能が発揮できないということはよく言われていますが、それを解決してくれるかもしれない存在です。
レビューの数などから考えるとあまり知られてませんがこんな便利グッズもあるのでした。
アンビエントルームフィルター おすすめモデル
アンビエントルームフィルターもいくつかのメーカーが作っていてモデルも複数あるので、その中でも性能・コスパに優れたものを紹介しておきます。
CLASSIC PRO CAR900
こちらが価格、大きさともに最もおすすめですね。
マイクの周りにしっかりと吸音材を配置できてマイクを分離します。
そして5000円ほどという安さ。
この価格で先ほど挙げたメリットたちを体感できるのであれば圧倒的なコスパと言わざるを得ないでしょう。
CLASSIC PRO (クラシックプロ)CAR900 サウンドハウス
ボーカルレコーディングにお勧め。センターで開閉可能なバーンドアタイプ。厚い吸音材を採用したフィルター本体は、ソースの分離を高め、本格的なレコーディング環境を実現します。
その他の情報
- バーンドアタイプ
- サイズ:幅38cm、奥行き21cm、高さ35cm、厚み5.5cm
- 重量:約2.0kg
- マイク取付け部ネジ規格:3/8、5/8インチ(変換ネジ付)
- スタンド取付け部ネジ規格:5/8インチ
CLASSIC PRO CAR300
こちらは私自身も使用するモデルです。
結構大きいモデルですね。こちらは価格もそれなり。
コンデンサーマイクを余裕をもってすっぽりと覆えるので安心感があります。
(AT4040で使用)
ずっしりとしていて作りもかなりしっかりしているのでもしマイクの分離に確実な安定感が欲しければこちらがいいでしょう。
またこのサイズでは最もコスパがいいモデルと言えるでしょう。
CLASSIC PROはコスパ重視のブランドなのでもし似たようなモデルが他の所にもっと高い値段であったとしても、性能はほとんど変わりません。
デザインさえCLASSIC PROで良ければCLASSIC PROを買うといいです。
サウンドハウス↓
デスクの上でも使用できるアンビエントルームフィルター。周囲から漏れてくる不要なノイズ、倍音を排除することでレコーディング時のマイクの分離を保ちます。
その他の情報
- サイズ:400x320x260mm
- 重量:約2.7kg
- マイクスタンドへの取り付けのほか、デスク上で自立しての使用も可能。
SE ElectronicsbRF-X
こちらはちょうど良いサイズで作りも確かなものが欲しい時はおすすめです。
先ほどのCLASSIC PROと比べてデザインなども精密なのでコスパよりも確かな品質をとる人向け。
SE ELECTRONICSは英国のマイクブランドで安売りメーカーではないので少々値は張りますが、かなり洗練されています。
SE ELECTRONICS (エスイーエレクトロニクス) RF-X
ホームレコーディング使用にフォーカスした、エントリーモデルのリフレクションフィルター。基本的な設計構造は米国特許を取得しているReflextion Filter Proと同様のデザインを採用しつつも、反射面はProject Studio Reflextion Filterと同様の単一層のポリエステルフォームを採用。フィルター背面の素材、スタンドマウント金具を改良し軽量化と耐久性を実現。マイクスタンドへの取り付けはストレートマイクスタンドの上部にマウントする構造になっています。
SE ELECTRONICS Reflexion Filter Pro
こちらも先ほどと同じメーカーのフィルター。
さらに大き目のサイズとなっていて評判も高いモデルです。
見た目のかっこよさなど洗練された作りを求めるのであればこれがもっともおすすめ。
SE ELECTRONICS (エスイーエレクトロニクス) Reflexion Filter Pro サウンドハウス
部屋の形状がもたらす有害な反射音や、マイクに飛び込んでくる様々な ノイズはレコーディングの大きな悩みのひとつです。
Reflexion Filterはそれを見事に解消し、クリアなサウンドを導く力強 いツールです。外観は音を拡散するアルミ素材、内部には吸音効果の高い糸状繊維素材を採用。
セッティングが容易で、軽量な可搬型なので、ボーカルやナレーション録りだけでなく、ギターやベースのアンプへのセッティングでも重宝します。またフィールドレコーディングでも抜群の効果を発揮します。
その他の情報
- 外観:音を拡散する為のアルミ素材を型抜き
- 内部:音を吸収する特殊な糸状の繊維加工
- アルミの薄片が低域の音をカット
- 音響的な防壁となる空気層
- 層にわたるアルミ素材と吸音素材の組み合わせ
- 音響設計に基づきMICとの空間を最適に保持
- 重量:約3.6kg(梱包重量約4.5kg)
- フィルターサイズ外寸:W36cm、H32cm、D20cm
- 3/8、5/8インチの変換ネジ付属
Marantz Professional SOUND SHIELD リフレクションフィルター
こちらも比較的大きなモデルです。
コスパではCAR300に負けますが、性能は同様でさらにデザインがかっこいい。
アマゾンでよく見る安いマイクも売っているブランドです。
marantz ProfessionalのSound Shieldは、部屋の不要な反射音や様々なノイズをシャットアウトし、よりクリアでタイトなレコーディングを可能にします。音の吸収・減衰に優れた高密度EVAフォームを貼りつけた5面の収音パネル(固定3面、可動2面)からなり、小型軽量で可搬性に優れ、デスクトップでもスタンドに取り付けても使用可能。あらゆる環境でマイクの周囲を取り囲み、正確な録音を実現します。
その他の情報
- 固定3面、可動2面の計5面の高品質有孔金属製パネル
- 床やデスクトップでの設置や、マイクスタンドへの取り付けも可能
- サイズ:約439 x 323 x 381mm
- 重量:約2.98kg
その他のモデル
おそらく使えるとは思いますがちょっと使う人を選ぶモデルも軽く紹介しておきますね。
CLASSIC PRO CAR800
ちょっと小さいモデル。一応マイクを囲えますが自由度は低く不安がのこります。
CLASSIC PRO CAR500
ちょっと大きい。
堅牢なマイクスタンドがあれば使えます。弱いマイクスタンドだと倒れてしまいそうなサイズです。
自分のマイクのサイズを確認してこれでなくては入らない場合にはこれもいいかも。
CAR300と値段もそんなに変わりません。
取り付けられるマイクスタンド
ここまで紹介してきたものは基本的にマイクスタンドに取り付けられるものです。
しかし全てのマイクスタンドにつけられるわけではありません。
基本的にブームタイプかストレートタイプのマイクスタンドにつけましょう。
デスクアームタイプでは重すぎて耐えられません。小さめなモデルでは耐えられるものもあるかとおもいますが間違いなく不安定なのでおすすめできません。
またしっかりと使用要件を確認して購入を決めてくださいね。
私が実際に使用しているマイクスタンドはCLASSIC PRO MSB ブームマイクスタンドです。
CLASSIC PRO (クラシックプロ) MSB/SILVER ブームマイクスタンド シルバー
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MSB/BLACK ブームマイクスタンド サウンドハウス
とんでもないコスパとしっかりとした作りで人気のマイクスタンドです。ストレートとしても使用できるスグレモノ。
こちらで2.7キロのCAR300の使用をしていますが安定しています。
マイクスタンド おすすめを紹介 定番から格安まで
また変換ネジも基本的にはついてきますがそのあたりも確認しましょう。
終わりに
いかがでしたか。
今回は便利なアンビエントルームフィルターの紹介でした。
もし宅録の音質に悩んでいる場合は導入を検討してみては。